昨年味わった数多くのラーメンから特に印象深いものをピックアップ。近くを通りかかることがあったら是非立ち寄ってみてください。
1. 知床塩ラーメン (日本海上)
京都府舞鶴港から北海道小樽港を結ぶ新日本海フェリーの食堂での思い出の一杯。船上の食堂と侮るなかれ、スープ・具ともに中々のこだわりっぷり。知床感を演出する海苔が、これでもかと大量に浮かべられ、スープに覆い被さる。今写真を見返すとネギが2種類使われていた様なので、筆者のようなネギ好きにも嬉しい。何より窓の向こうの水平線、船体の軋む音、やや荒れ気味の日本海に絶えず押される小刻みな揺れと共にラーメンを食べるという非日常感が素晴らしかった。
2. ら〜めん幕末 (和歌山県海南市)
合格発表の前日、母に花粉症の薬を貰いに耳鼻科に行くよう迫られ(病院は嫌いだ)、二重のストレスに押され気づいたら阪和線に乗っていた。
温泉につかり、目当てのラーメン店の最寄り駅にて筆者はある大きな過ちを犯した。30分後の帰りの特急券を買ってしまったのだ。その上、駅からラーメン店までが思ってたよりもだいぶ遠かった。結果、せっかくの和歌山ラーメンを約5分で完食しなければならず、これっぽっちも味を覚えていない。入店から会計まで一切無駄な動きなくこなした。特急には間に合って無事帰れたが、やっぱりこれでは未練が残るのでもう一度行ってみたい。あと花粉症の薬は貰った方が良かった。
3. 氷見ラーメン (富山県氷見市)
おじいちゃんと二人で北陸に行くことになった。小さい頃東京に住んでいて、時々おじいちゃんとおばあちゃんに会いに家族で大阪に行った。大阪にでは、おじいちゃんに阪急電車で色々な所に連れてもらえるのが楽しみだった。お互いに歳をとり、今度はこっちがお返しする番ということで、筆者が計画を組んで久しぶりの二人旅に出発した。
寒ぶりで有名な氷見漁港のど真ん中にある「魚市場食堂」に行った。店名から分かるように、元々海鮮を食べようと計画していた。ところが前日の夕食で腹16分目くらいまで海鮮を食べまくったせいで軽く海鮮恐怖症になってしまい、止むを得ずラーメンを食べざるをえなくなってしまった。港のラーメンらしく、海鮮のエッセンスが香るスープが美味い。おじいちゃんはというと、余裕で海鮮丼を平らげ、「魚市場で魚を食わない奴があるか」と至極真っ当な苦言を呈された。
4. 名代ラーメン亭 (福岡県福岡市)
博多といえばラーメンであり、ラーメンといえば博多である。そして博多ではラーメンが時間に縛られることはない。
朝7時新大阪発の新幹線に乗って、博多に9時半頃到着した。早速地下街に潜ると、なるほど確かに朝から営業しているラーメン店がある。広くはない店内はほとんど満員で、博多のおっさんたちがいかにも美味そうに麺を啜っていた。9時50分。人生で最も早い時間帯のラーメンは、口の中で若干の場違い感を放ってはいたが、さすがは天下の博多豚骨ラーメンというような濃厚さで、そこに気持ちの良い後味をいつまでも残した。
5. らーめん千の風 (京都府京都市)
阪急京都河原町駅から程近い小洒落たラーメン店。高校の遠足で友達と行った思い出の場所でもある。京都らしい和風ラーメンで、この分厚いチャーシューが最高。この辺りは、ラーメンに限らず、オシャレで素敵な雰囲気のお店が多い。どんどんディグって行きたい。
6. 博多一双中洲店 (福岡県福岡市)
すすきの、歌舞伎町と共に日本三大歓楽街に数えられる夜の街、中洲。カオスを具現化したような眠らない街の一角で、ネオンサインに負けじと看板を掲げる名店がある。豚骨の匂いを辺りに撒き散らすので、鼻の良い人なら目を閉じてでもたどり着けそうだ。このスープは人生で最も感動したスープと言っても過言ではない。この美味しさを説明できる言葉が存在するのだろうか。リピート確定です。
7. かまん (大阪府堺市)
友達とダーツの旅をすることになり、早速JRの路線図に目を瞑って指を差したところ、阪和線上野芝駅に当たった。沿線の人以外への知名度は著しく低そうな駅だが、百舌鳥古墳群に隣接するというネタ的には美味しい駅だった。古墳を何個か眺め、時間を潰せるだけ潰し、古代のロマンなども飽和してしまったので、堺の海へ黄昏に行った。
日も沈み、腹が減ったので、徒然なるままに周辺のラーメン屋を探し、この牛骨ラーメン専門店を見つけた。まさに一期一会。18時の開店まで10分ほど待ち、夜の一番目の客になった。運命を感じながら味わうラーメンが一味違ったのは言うまでもない。
「出会えてよかった」
陳腐なラブソングみたいなことを言いたくなるラーメンだった。
8. らーめん与七 (滋賀県大津市)
JR湖西線堅田駅は、以前駅近くに車を停めてそこから電車に乗ったことがあったけれど、駅前に馬渕があるくらいのことしか知らなかった。あるとき滋賀県の人気ラーメンを調べていて堅田駅近くにすごいラーメンがあることが分かった。友達と比叡山観光する機会があったので少し足を伸ばして再び堅田駅を訪れることにした。ド派手なルックスがまず目に付くが、やはり特筆すべきはそのスープである。とにかく濃厚の一言であり、これ以上に濃厚なスープを飲んだことがない。あまりに濃厚なので半年経った今でも舌に焼き付いたように覚えている。
昼食の後は、近所の農産物直売所「グリーンファーム堅田」で購入できる美味しい麦茶「麦王」を流し込んで電車に乗った。駅から半径数百メートルでここまで満足できる堅田駅すごい。(🅱新快速 と書いてある電車に乗ると大阪駅から一本で堅田駅に行けます。是非!)
9. 麺屋 弍星 (兵庫県神戸市)
JR六甲道駅前にあり、神戸大学の学生には馴染み深い煮干しラーメンのお店。スープに溶かされた煮干しは姿こそ見えないが、口にした途端圧倒的な存在感を放つ。にんにくの量など色々カスタマイズでき、二郎系のラーメンも食べられる。ラーメン激戦区・六甲道エリアから今後も目が離せない。
10. えびそば一幻 新千歳空港店 (北海道千歳市)
北海道の玄関口、新千歳空港は余裕で一日潰せるほど巨大で映画館から温泉までそれこそなんでもある。「北海道ラーメン道場」と呼ばれるエリアでは、10のラーメン店が創意工夫を凝らしたラーメンでそれぞれの「北海道」を表現し、しのぎを削っている。まさに道場。そんな道場の一番人気がこのえびそばだ。帰りの便の時間をずっと気にしつつ、30分並びたどり着いた至高のラーメン。えびみそ・えびしお・えびしょうゆの中から好きなものを選ぶスタイルで、今回はえびみそをセレクト。エビってこんな美味しかったっけと思うほどエビが美味かった。一年のラーメンリレーを締めくくるのにふさわしいラーメンだった。
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今年もラーメン食べまくってるのでRamen Recap 2023多分やります。